本に装飾を施すという芸術

本に対しての装飾

日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、大切な書籍に装飾を施すというのは、本編のみならず本そのものも一つの作品にするという芸術です。
カラフルな色を持った箔を様々な図形に加工し専用の機械で転写したり、布や木やプラスチックといった様々な素材を用いて装飾することもあります。
装丁は皮が基本となりますが、皮の扱い方一つとってみても多彩な表現が可能で、加工方法はとても奥が深いものとなっています。

また、本である以上、中身の文章・内容とまったく関係のない、デザインだけが主張されるものであってはいけません。
内容とずれていなくとも、それ以上の表現力であったり台無しにしてしまうような表現をしてしまうことも望ましくありません。
あくまでもその内容と合わせ一つの世界観であり、芸術としてリンクしているようなものでなくてはならないのです。

技術を驕り頼ることなく、本当の意味での芸術を表現するというのは難しいことかもしれません。

本の内装について

身近な内装と言えば、まずは挿絵が挙げられます。
一般的に文章の著者とは異なることが多いですが、挿絵のあるページにある情景をよりよく理解できるような表現が用いられています。
文章だけではおぼろげなイメージが、より明確に浮かぶことにより、その物語が一層リアルに感じられることで、著者と読者の距離を詰める役割を果たしていると言えます。

また、幼児向けの絵本に多く用いられる飛び出す絵本の技術も内装の一つです。
二次元の表現を三次元に見せかける表現の一つでもあり、比較的簡単に作成・表現できる手法と言えるでしょう。
もちろん読者へ一層強い表現力を示し、子供にもやさしく楽しく高い理解を得られることが期待できます。

本の修理という技術

本の装飾を紹介してきましたので、修復という技術にも触れてみたいと思います。
本の修復というと、やはり身近なところでは一般的なものではないかもしれません。
文庫本などは安価な上大量に出回っていますし、近くで見つからなくともネットを介して検索すれば見つからないケースは少ないでしょう。
多少高価な本でも、よほどのことがない限り修復してまでということはないと思います。

ただ、希少であったり愛着がある本は、やはり大事にしておきたいですし、万一の際は修復してでも使い続けたいものです。
製本という技術は何も新しい本のためだけにある技術ではありません。
破損部分にもよりますが、たとえば表紙や背表紙を外して材質にもよりますが修復または交換。
必要に綴じる部分も調整・修復をし、補強なども済ませれば本として再び活躍するのです。

長年使用した愛着ある大事な本が再生されて戻ってきた姿というのは感動ものですし、そういう意味では何の変哲がなくとも芸術と呼べる技術であると言えます。


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